3000円で買ったのは、息子の「未知への勇気」と、僕の「負けず嫌い」。

FIRE

つい1年ほど前のことです。保育園児だった息子と将棋を指し始めた頃、僕はいつも「駒落ち(ハンデ)」をして、適当に負けてあげていました。それが親の優しさだと思っていたし、正直に言えば「まあ、子供の遊びだしな」と高を括っていた部分もあったのです。

ところが、子供の成長というのは、僕たちの想像を絶するスピードで「インフレ」を起こします。

この1年で息子はメキメキと力をつけ、今ではハンデなしのガチンコ勝負で、僕が本気で負けるほど強くなりました。保育園の友達や先生にも勝てるようになり、小さな胸を張って「楽しい!」と笑う息子の姿は、親としてこれ以上ないほど眩しいものでした。

1. 「激安」すぎる投資の判断基準
そんな息子が先日、「プロの先生が教えてくれる場所があるんだけど、行ってみる?」という問いかけに、迷いなく「行く!」と答えました。

50分間の指導で、お値段は2000円か3000円ほど。
これを単なる「50分の習い事代」と捉えると、決して安くはありません。でも、妻と相談した時、僕たちの口から出たのは「それって激安だよね」という言葉でした。

なぜなら、そのお金で買えるのは「技術」ではなく、**「芽生え始めた好奇心を爆発させる経験」**だからです。

たとえこの1回で満足して終わったとしても、あるいは今後飽きてしまったとしても、それは全く問題ありません。僕がこの数千円で息子にプレゼントしたかったのは、「自分の『やってみたい』という気持ちが、新しい世界を扉を開いた」という成功体験そのものなのです。

2. 「挑戦のハードル」を下げてあげるというギフト
親が子供に贈れる最高のギフトは、お金や家といった形あるもの以上に、「新しいことに飛び込む癖」ではないかと僕は思っています。

「やったことがないから怖い」ではなく、「やったことがないから面白そう」。
小さいうちから、未知のものに対する心のハードルを少しずつ下げてあげる。その「癖」さえ身についていれば、将来彼がどんな荒波に揉まれても、自分の力で漕ぎ出していけるはず。

今回の将棋の挑戦が、彼にとって一生の趣味になるか、あるいは一時の思い出になるかは二の次です。大切なのは、「自分から一歩踏み出した」という事実。そのための数千円なんて、親からすればこれほど効率の良い、安い投資はありません。

3. 大人こそ、自分を「焚きつけて」生きる
同時に、今回の出来事は僕自身の胸にも火をつけました。
息子に負けて「悔しい!」と本気で感じた自分。その感情が、なんだかとても新鮮だったんです。

大人になると、どうしても「自分はこれが得意、これは苦手」と決めつけてしまいがちです。「もう40歳だから」「今さら始めても……」と、無意識に自分の限界を決め、挑戦することをやめてしまう。でも、目の前でどんどん壁を乗り越えていく息子を見ていると、「自分も負けていられないな」と強く思わされました。

子供が未知の世界に飛び込んでいくなら、父親である僕もまた、今まで「できない」と決めつけていたことに一つひとつ挑戦していきたい。

おわりに
サイドFIREという選択をして、以前よりも心と時間にゆとりができた今。
僕は、お金を「自分のためだけの消費」に使うのではなく、**「自分と家族の好奇心を焚きつけるための材料」**として使っていきたいと考えています。

3000円で買った将棋の指導対局。
それは、息子の未来への勇気であり、僕自身の停滞していた心への「喝」でもありました。

子供と一緒に、僕もまた「昨日できなかったこと」に挑み続ける。
そんなメンタリティでいられたら、人生の後半戦は、もっともっと面白くなるに違いありません。

さて、息子が帰ってきたら、今夜も一局。
次こそは、パパの威厳を見せてやろうと思います。……まあ、また返り討ちに合うかもしれませんが、それもまた、最高の「遊び」です。

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