**読了時間:4〜5分**
サイドFIREから一年少し。いったん“自分の外側”から眺めるつもりで、これまでの職歴、とりわけ最初の金融機関での12年を振り返り、「辞めて後悔はあるのか」を言葉にしておきます。
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## 12年の金融機関勤務で得たもの
– **粘り強さと工夫の勘**
新人期、できない自分に先輩から容赦ない指導。折れそうになりながらも、プロセスを分解し、順番を入れ替え、小さく試す…その反復で“できる”に寄せていく日々は、今も仕事観の土台になっています。
– **「通じた」と感じる瞬間の快感**
顧客の意図に届いた、同僚と視線一つで通じ合った。あの手触りのある一体感は、いまだに上書きが難しいほど鮮明です。
> 結論:**成長の筋肉と、仕事の喜びの原体験**は、この12年で確かに手に入りました。
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## 辞める決め手になったもの
– **報酬と負荷の非対称**
やる人もやらない人も同じ評価の棚に乗る。役職が上がるほど、意欲の低い人の責任が転がり込む構造。数字・時間・責務の割に、金銭面の見返りが薄い。
– **休めない文化**
長期休暇を取ろうとすると、陰でしつこく言われる。制度と空気の乖離が大きかった。
– **モチベーションの伝播(負の面)**
最忙店舗への転勤で自分は“火”が点いた一方、他店に行くと未達が常態化。中間管理職ですらその空気に慣れてしまっていた。やる気は**環境に強く依存**することを、骨で知りました。
> 結論:**環境が人を作る。だから人は環境を選ぶべき。**
> この確信が、退職の背中を押しました。
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## 「後悔はないのか?」への正直な答え
– **仕事の喜び**は今でも大切に思い出します。
– **制度や評価の歪み**にもう一度身を置きたいかと言われたら、NO。
– サイドFIREで得た、**時間の主導権と心の凪**は、あの頃には戻せない価値でした。
> 総合点:**辞めて後悔はない。**
> ただし「育ててもらった実感」への感謝は消えない。両方が同時に真実です。
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## 12年が教えてくれた再現可能な教訓
1. **環境は“意思”よりも強い**
意欲は伝染するし、緩みも伝染する。だからまず、**自分が燃える場所**を選ぶ。
2. **“なりたい自分”より“居たい場所”を先に決める**
目標像を描くより、「その人たちが集まる場所」に行く方が早い。
3. **評価システムは早めに見極める**
報酬と負荷が釣り合わない場所は、長期で心身を摩耗させる。合わなければ**戦略的離脱**も選択肢。
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## サイドFIRE1年での気づき
– **時間の主導権がもたらす安定**
生活のオンオフを自分で設計できる安心感は、想像以上にメンタルを整える。
– **ダレのリスクは“設計”で減らす**
自由は同時に自堕落のリスク。予定に“余白”と“完全休養”を先に組み込むと、立て直しが早い。
– **コミュニティは必須の栄養**
孤立は思考を鈍らせる。FIREコミュニティや、前向きに試す人たちの輪に**意図的に近づく**ことが、次の燃料になる。
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## これからやりたいこと(環境を選びにいく)
– **FIRE実践者コミュニティに足を運ぶ**
オンラインでもオフラインでも、試行錯誤を共有している人の近くへ。
– **価値観の近い小さなチームで動く**
ミニプロジェクトで「通じる喜び」を再現し、仕事の快感を“今の形”で取り戻す。
– **“学びの場”を定点化**
図書館ブース・共同作業スペースなど、**燃える場所の常連になる**。
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## まとめ:過去は燃料、現在は設計、未来は選択
– 金融機関12年で培った**粘りと仕事の喜び**は、今もエンジンの中心。
– 歪な評価や休みにくさに**もう一度身を置く理由はない**。
– サイドFIREの現在地は、「**環境を選び直せる自由**」そのもの。
– 次は、**燃える人が集まる場へ自分から入る**。それが一番の近道。
**辞めて後悔はないか?**
答えは「ない」。
でも、あの時間がなければ今の自分はいない。だからこそ、これからも自分で環境を選び続ける。そんな覚悟で、二年目に進みます。


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