初めて行く遠足に向けた弁当づくりと、成長に向けた衝突

FIRE

はじめに

保育園に通っている子どもが遠足のため、初めて「お弁当を食べたい」と言ってきた。小学生の子にはこれまで何度か作ってきたが、保育園児用は今回が初めてだ。

お弁当づくりの初挑戦

濃い味付けのものとお米をバリバリ食べるタイプなので、入れてほしいものが分かりやすいのは助かる。本人からも「ミートボールだけは入れてくれ!」という強い要望。よし、今日は肉マシマシでいこう。

“まっ茶色弁当”のドキドキ

そして出来上がったのは——ミートボール、ソーセージ、焼きそば、そして白米。見た目は“まっ茶色弁当”(笑)。少し「やってやった感」はある一方で、「これで大丈夫かな?」という不安も残る。

帰宅後の様子

ただ、帰ってきた本人から「遠足楽しかった〜!!!」と笑顔で報告があり、まずは一安心。「お弁当はおいしかった?」と聞くと、「ああ、おいしかったよ!」と、あまり深く考えずのリアクションではあったが、初めてのお弁当体験が悪い印象にならなかったのはよかった。

小学生からの相談

その後、帰宅した小学生の子どもから「パパ、ちょっと話してもいい?」と相談があった。どうやらクラス内の4人グループで衝突があり、4人のうち1人が仲間外れになっているという。構図としては3対1。うちの子はその“3”に入っているわけではないが、その中の1人、Aちゃんと仲が良い友だちだ。

本音と窮屈さ

「グループの雰囲気が悪いと、クラス全体の空気も悪くなる。少しでも改善できないかな」というのが本人の問題意識。よくよく話を聞くと、「Aちゃんと自分が2人で遊ぶ時間も取りづらくて、少し寂しい」という本音も出てきた。うちの子は本が大好きで、みんなで遊ぶときも、遊びの内容に応じていろいろな子と遊べるタイプ。だから「Aちゃんと遊べないとイヤ!」というほどではないが、“いつも同じグループで遊ばなきゃいけない”というしがらみを、少し窮屈に感じているのだろう。

対応の方向性

話し合ってみてダメなら仕方ない。ただ、まずはAちゃんにだけこっそり相談してみてはどうか、ということで方向性はまとまった。

成長への実感

「小学校の中学年でグループ抗争がはじまるんだ…!」と、男性の私は驚くと同時に、ついこの間までつかまり立ちしていた子が——と思うと、ただただ成長したなあと感心してしまった。本人は悩んでいる様子だったけれど、人間的に確かに前へ進んでいる姿を見られたこと、そして悩んだときに「この人に話してみよう」と私を選んでくれたことが、正直たまらなくうれしかった。うれしかったっっ!!!

おわりに

遠足のお弁当づくりは、親にとっては小さなイベントだが、子どもにとっては“自分の希望を伝え、叶えてもらう”体験のひとつだったのかもしれない。同じ日に、小学生の子の相談を受けて、仲間内の関係に悩みながらも自分なりに動こうとする姿も見た。小さな「初めて」を重ねることと、関係の中で揺れながら選択していくこと——どちらも、成長の当事者であることの証拠だ。親としてできるのは、完璧なお弁当を作ることでも、教室の雰囲気を一気に変えることでもない。子どもが自分の言葉で気持ちを話し、自分の足で一歩踏み出すときに、隣で耳を傾け、必要なときだけ短い言葉を渡すこと。そんな役割を改めて意識した一日だった。

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